「あなただからよ」

投稿者:臥伏龍

 

僕の話の中に幼少期に体験した出来事で地元の城跡での出来事があるんですよ
そこで毎日遊んでくれていたのが そのお城のお姫様だったんですね
その出来事は大人になった今でも 続いていて 今はお姫様の姿を見ることは出来ないですが 何か嫌なことがあったり 悲しいことがあった時に 行くと必ず 大きなオレンジ色のオーブが居てくれて
「あぁ、、、お姫様だ」
不思議と分かるんですよね!とても温かい光で
幼少期に毎日行って 話していたように その日あった事を独り言のように話している その間も 見守るように僕が帰るまで居てくれるんですよ!
このお姫様との出会いが僕にとって それまで「幽霊」と言う存在はおどろおどろしく怖い存在だと思っていたんですが ガラッと考えを変えてくれたんですね

もう1つ 「幽霊」と言う考え方を 教えてくれた出来事があるんですよ!
それは このお姫様の話しとも少なからず関係があるんですよ

いまから5年ほど前
もう忘れもしない 7月13日!
友人とたまたま このお姫様との出来事の話しになったんですよ
なかなか 戦国時代のお姫様が遊んでくれたりすることは無いよな!一度でも会って姿を見てみたいって友人が言うもんだから 話が終わって帰ってから 当時の記憶を頼りに 似ている有名人を探したんですよ

記憶では 色が白くて凄く綺麗なお姫様だった記憶で
なかなかね 似ているって言っても見つかるわけないですよね
でも見ていったら 「あ!この人だ!」って
似ている有名人 居たんですよ!
この方も 凄く綺麗な方で もう亡くなられているんですが 雰囲気とか顔や佇まいが そっくりになんですよ

この有名人の画像を友人に見せて
「この有名人がお姫様そっくりだよ!」
って教えてあげたんですよ
なかなか会いたいからって会えるもんでもないし 視えないから せっかく 調べて教えたのに そしたら その友人 会ってみたいって言ったわりには意外と素っ気ない返事なんですよ(笑)
なんだよーって思いましたが 何となく またお姫様に会えたようで 僕は嬉しかったですよ

その夜なんですが いつも観るYouTubeのチャンネルを観ようと YouTubeを開いたら 昼間に友人と話していた 有名人の動画がトップにあるんですね

凄く有名な方なんですが 僕自身 世代ではあるんですが ファンではなかったので この有名人の関連動画とか観たことがなかったんですよ
しかも何年も前の動画なんですよ

タイミング的にも「えっ!」て思いましたが 偶然だろうと思っていたんですが 何か観たくなるんですよ
だんだん だんだん気になって 観なきゃならない気がしてくるんですよね
とうとう 負けて それで観てみたんですよ
トップにあった動画

当時のエピソードを話している 動画だったと思うんですが ファンではなかった分 世代としては話がとても新鮮なんですよね
だから もっとその有名人の事を知りたくなって 次 次と関連動画を観ていたら あるエピソードの話をしている動画だったんですが 右目からスーっと涙が流れてきたんですよ
ゴミでも入ったのか?と思ったんですが 違う!
泣いてるんですよ!
動画を観ながら「うんうん!」「懐かしい!」「そんなこともあったなぁ」「よく覚えてるね」って
まるで 動画の中のエピソードを知ってるみたいに観ながら口で言ってるんですよ
懐かしくて 嬉しくて泣いてるんですよ
反面 この状況を冷静に見ている自分が居て この状況 普通じゃないなって思って もしかしたら この動画で話している あの有名人なんじゃないか?と思って 確かめてみようと チョッとだけ話しかけてみようって思ったんですよ

もし霊だとしても本人とは限らないし 本人だとしても良い霊だとは限らないわけですよね
だから本来は そう言った事に慣れていない 知識の無い人が気軽にやっちゃいけないことなんですけど 一か八か 本人だと思って話しかけてみようと思ったんですよ

そうは言ったものの 何を聞こうか?これですよね
真面目に当時の事とか聞くのも変だし
週刊紙や噂の事を聞くのも失礼だし
そう考えて 行き着いたのが「好きな食べ物」「嫌いな食べ物」だったんですよ(笑)
これだったら 真面目に質問して全然違って恥ずかしい事もなく 笑い話で終わるしと思って 聞いてみたんです

先ずは「はじめまして!〇〇と申します!」「今 右目で泣いておられるのは もしかして〇〇〇〇さんでしょうか?」
もちろん返事が無い
違うのかな?なんて思いながらも その間も 涙が止まらない 顎から滴り落ちるくらい泣いてる

続けて「もし御本人でしたら 質問に答えていただけませんでしょうか?」と聞いて 少し待っても何も無いので更に続けて 「唐突な質問なのですが 好きな食べ物は何でしょうか?」
と聞いて また何にも無いよなぁと思っていると 頭の中に 映像が流れてきたんです
それは 何処かの家のキッチンなんですよ
凄く綺麗な大きいキッチンで誰か居るんですよ
でも逆行で影になっていてハッキリ分からない

そしたら その人が「先ずはこれ」と言って見せてくれたのが「イチゴ」
「次に」と言って見せてくれたのが「ブロッコリー」
「最後にやっぱりコレが一番好きかな!」と言って
影だったものが 逆行が無くなって動画で見ていた有名人が大きなお肉を出して ステーキを食べていたんです
映像はそこで消えて
「ありがとうございました!」
って言って次に「嫌いな食べ物」を質問して答えてくれたんですが これを言うと分かる人には分かってしまうので言えないですが ちゃんと答えてくれたんですよ
しかもユーモアを交えながら

質問を終えて「唐突な質問に答えていただいてありがとうございました!」と言うと涙もスーっと流れなくなって 自分にもどったんですね

それから急いで調べましたよ
そしたら あったんですよ
好きな食べ物「肉」
イチゴとブロッコリーは晩年食されていたみたいなんですよね
これ嫌いな食べ物を本当に言えないんですが答え通りだったんですね
この時は 驚いたのと正直 妄想とか想像だ偶然だと思って信じられなかったですよ

この次の日から妄想とか想像では説明のつかない出来事が起こるんですよ

不思議な出来事の翌日
雲1つ無い 凄く天気の良い 真夏の暑い日で この日は 仕事がたまたま早番で 何時もより早く帰ってきたんですね
帰って来て 着替えて 一息ついてゴロンと 部屋に仰向けに寝転んで 何気無く 窓を見る
目線の先には 凄く綺麗な夕焼けで 雲1つ無いですから 空は綺麗なコントラストなんですよ
夕暮れなんですが 俗に言う「逢魔ガ時」と言われる時間ですよね

その夕焼けの空を「綺麗だなぁ」と思いながら見ていたら 突然 頭の中に 映像が流れてきたんです
それと言うのは妄想とも想像とも違っていて 映像の中でも自分の視点で見ていて 現実の自分が動いた通りに動けるんです
言えば頭の中がVRみたいなんですよね

現実と頭の中と まるで2つが同時中継されてる感じの視点なんです
肉眼で綺麗なコントラストの夕焼けを見ていて
頭の中の映像でも 少し夕陽の加減が違ったんですが 同じく綺麗なコントラストの夕焼けなんですよ

突然の出来事で「何だ?何だ?」と混乱しているんですが 映像の中でも自由に動けるので 目線を下にしてみたんです
そしたら そこって人が2人立てるくらいの 小さい空き地みたいな所で そこに立ってるんですよ

辺りを見回して見ると 右側に何か石の壁のようなものがあって 左側は草むらになっていて 行ったことも無い全然知らない場所なんです
もっと視線を下げると 自分の立っている所から 数歩先 誰か居る!誰か座ってる!
体育座りで 向こうを向きながら 石の壁に寄りかかりながら 空を見ている人が居る!
それ女性なんですね

誰だろうと思いながら立っていると その女性が振り返って僕の方を見て 女性は自分の左側に座るようにトントンと地面を叩くので 特に怖いとかヤバイとかそんなのは一切無かったので 隣に座って ふと女性の方を見たら 向こうもこちらを見てニコッとして ペコッとお辞儀をしてきて 何処かで見たことがある人だなぁ~なんて思っていたら 気付いた!「 あ!」
この人 ある有名人なんですよ!
誰もが知っている有名人!

その有名人は驚いている僕の顔を見てクスッと笑いながら 「少し眠るね」と僕の肩に寄りかかってスッと眠られたんです
この時 実際に声が聞こえたんじゃなくて 口が動いているんですが 何を言っているのか 言葉が頭に直接届く感じで でも不思議と違和感無く会話しているんですよね

えー!って驚きながら 眠っている その有名人を見ながら「もっと話がしたかったなぁ」なんて思っていると そこでこの映像が消えたんですよ
消えて 現実の自分も眠くなって 眠ったんですね
どのくらい寝たのか?
ハッと目を覚まして 空を見るともうコントラストも紺色に染まっている
さっきのは きっと妄想だったんだろうと思っていると また頭の中に映像が流れてくる
その映像の中でも空は紺色に染まっている!

右側を見ると あの有名人が寄りかかって眠っている!
間違い無い!さっきの続きだ!
しばらく見つめていると その有名人も目を覚まして「もうこんな時間!」僕の顔を見て ニコッと微笑むと立ち上がって その有名人の後ろ 僕が最初に立っていたところですよね
そこに眩しい光があって
「そろそろ戻りましょうか」と僕の手を引いた時に その光に包まれて 映像が消えたんです

映像が消えてからも 一体何だったんだろう?って
妄想なのか?想像だったのか?
妄想にしても想像にしても 感触 空気の臭い 全部があまりにもリアルで考えても分からない
一旦 時間確認しようとスマホに手を伸ばした時に あれ? 異変に気付くんですよ

手帳型のスマホカバーから光が漏れてる
スマホがついてる!
横になる前に画面を消したはずなんですよ
訳が分からないですよね

開いてみると 画面いっぱい どっかの航空写真なんですよ
Googleマップなんです!
Googleマップなんて使わないから まず開いていること自体 あり得ない
しかも知らない場所の建物らしき物の真上の写真

何処だろうと思って検索バーを見てみたら それ映像に出て来た「有名人の名前 自宅」になっていて
えっ!って思って自宅を調べたら 航空写真と全然違うんです
でも何回Googleマップで 「有名人の名前 自宅」で入力しても この航空写真になるんですよ

これよく調べていたら ご自宅の画像の他に ある画像があったんですよ
それは この有名人のお墓の画像なんですよ
なんとなくなんですが 自分が映像で居た場所に似ていて もしかしたらと思って そのお墓のある墓地の住所を Googleマップの検索バーに入力したんですよ

そうしたら 出た航空写真というのが 僕が見ていたあの航空写真なんだ!
「自宅」となっていて検索されていた場所
それ!この有名人のお墓の真上の航空写真だったんですよ!
映像で僕が立っていた場所 それお墓の隣の空き地だったんですよ
だから右側に石の壁があって それが この有名人のお墓だったんですよね
この時は流石に全身鳥肌が立ちましたね

この数日後だったか この出来事とか信じられないでいたら また突然 頭の中に映像が流れてきて
それって言うのが 詳しくは言えないんですが この有名人の亡くなる日の亡くなる瞬間までの映像なんですよ
本当に この有名人の想いとか色んな感情が入ってきて何と言えない感情で涙が止まらなかったですよ

映像の後に この有名人が体育座りして僕の方を見ている映像が頭の中に流れてきて
「私は死んでいて あなたは生きていて きっとこれから誰かと出逢って 恋をして 結婚をしてって そうやって 私の事も忘れていくのかなぁ?」ってとっても寂しそうに話しかけてきて
何とも言えない寂しそうな悲しそうな表情で
咄嗟に「忘れないです!」「忘れるわけないですよ!」「これから僕が歩む時間にあなたは居ます!」
って言ったんですよ

そしたら嬉しそうに微笑みながら映像が消えたんです
見せてくれた映像が実際の事なのかどうかは本人と親族の方しか知らないし分からないですが
もし本当の映像だとしたら この有名人が 見ず知らずの僕に 心を開いて想いを伝えてくれたんだと思うと 大切にしてあげたいって思いましたね

後日この話を弟にして 弟は信じているのかいないのか?とりあえず話は聞いてくれてはいましたが
数日後に友人3人と会う機会があって 会った時に この一連の話を話していたら もちろん誰も信じなかったんですよ ちょうどこの有名人が亡くなった時の映像の話をしようとした瞬間ですね
友人の1人が突然 ボロボロ泣いたんですよ

皆 唖然として 「どうした?」って聞いても声を詰まらせて喋れないくらい 涙が止まらないんですよ
1、2分 経って落ち着いた友人が 「亡くなるところ見た!でもそれ以上見れなくて映像切った」
って言うので 僕の見たものを話すと たった今 まだ話してもいなかった映像の事が 友人が見た映像と一致して その場に居た弟と友人達が全員目撃しています

その時に弟が その話を僕から聞いた日 僕の方を向いて立っている女性の霊が居てすぐ消えたけど 弟曰くその霊は 見た瞬間あの有名人だと分かったそうです

この時に初めて 本物だったんだって実感しました
その後に またこの有名人が頭の中の映像に出てこられて 僕聞いたんですよ
「何故 僕だったんですか?」って
そうしたら 嬉しそうに はにかんだ笑みを浮かべながら一言
「それはね あなただからよ」って言うんですよ
最初はポカンとしたけど 後になって たまたま偶然じゃなくて 僕に会いに来たんだって 知った時に 有名人がくれた言葉が 最高の言葉だったんだって気付いて 自信もついたし今では宝物ですね
この出来事が 僕にとって 幽霊と言う存在の考え方を変える出来事になりましたし 何より かけがえのないものになりましたね
それ以来 今でも この有名人の事を忘れないように 毎日この有名人に関する動画を見るようにしてます

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計
大赤見ノヴ141517151677
毛利嵩志10510101045
吉田猛々141517171982
合計3835444245204

 

書評:毛利嵩志
体験者の不思議を伝えたい気持ちは前向きに伝わるんですが、例えば「懐かしくて涙を流した」のが、その女優さん(?)なのか自分なのか戸惑ったりしたので、そういう部分を明確にしていただくとより良いでしょう。

書評:大赤見ノヴ
怖さという点からいくと全体的に温かい内容なので高得点へは結びつかないのですが怪談は「怖い」だけではないと常々提唱している私の琴線に触れました。ただ文章で表現する以上は言葉のチョイスや構成など少し甘い点があり個人的には初めは怖さで進んで行き中盤以降からグッと「良い話」になる様なメリハリが欲しかったです。そして100人が見て100人が全員「有名人は誰やねん?」となるデメリットがあるので今回の様なオープンな場では諸刃の剣だなと思いました。ただご自身に霊感がある方なので今後の投稿にもの凄く期待しています。

書評:吉田猛々
いわゆる普通の怪談ではない、不思議なお話でした。その文中に体験者ならではのリアリティーのある表現もあり、霊という存在を考えるうえでの一助にもなるような内容だと感じました。内容的に怖さという部分にはなかなか点をふりづらかったですが、このお話の本質はそこではないというか、ある意味唯一無二なお話という気がします。そして個人的にはタイトルがとてもいいと思いました、まさに「あなただから」書けたお話ですね。あとこれは読んだ方全員、「有名人が誰なのか?」、とても気になると思います(笑)、そして今後の展開がどうなるのか?、そこも含めて興味深いなと個人的に思いました。