あとがき
科学や何かで立証されたことでは、
ありませんので、ご了承下さいませ
御理解頂きたく存じます
この話は、
かれこれ三十三年くらい前まで遡る話です
読んでも構わない、
という方だけでも読んで頂けたら幸いです
何が起こるかは、わかりません
申し訳ございません
最初に断りをさせて頂きます
わたくしは、
小学生の頃、四年生の時に転校致しました
不思議な事は、良くあるもので、
転校する前の学校には、
同姓同名で下の名前が漢字違いの方が、
いました
クラスは違いましたが、
良く似ていると噂になり、
すぐ仲良くなりました
双子とまではいかないまでも、
別々にいるとどちらとも、
良く間違われてました
周りもそれを面白おかしく楽しんでいました
性格は?と言いますと、
似ている部分は良く似ているのですが、
違う所は正反対くらい違うのです
良くも悪くも補える関係だったり、
喧嘩も良くしました
それほど仲良くなれた、友達でした
僕たち二人は、前世からの記憶があります
その話は、誰にも信じてもらえず、
二人だけの秘密でした
そのそっくりな友達は、
“D”とさせて下さい
Dは、二月予定で産まれるはずが、
遅れて、三月に生まれました
僕は、と言いますと、
四月に産まれる予定が、
三月に生まれました
二人は、
三月十三日の同じ日同じ時間同じ場所で、
偶然にも生を受け賜わったのです
少しだけ離れた地域で育ち、
二つの保育園が小学校で一つになり、
僕とDは、出会いました
僕は仲の良かった近所の幼馴染の女の子と、
クラスが別になり、他の友達も別、
少し不安な小学生の始まりとなりました
ただその幼馴染が、Dと同じクラスで、
初登校の日の帰り道に、
良く似た子がおるんよ、
と幼馴染に聞き、
次の日の昼休みに初対面しました
多少の違いはあるものの、
自分でも思うくらい似てました
それからというもの、
すぐ仲良くなりました
Dにも幼馴染がいました
その女の子が、偶然にも僕と同じクラスで、
クラスに打ち解けるキッカケをくれました
そして、、、
初めて、金縛りにあった日のこと
コレが一番最初に経験した、
心霊体験です
若干二歳、もうすぐ三歳という頃でした
その経験談をDに話したのです
「 三歳になるちょい前の事なんじゃけどな、
寝ようとしてた時に、
太いデッカい男が、上に乗ってて、
身動き取れんなった事があったんじゃ
親父が心配して部屋に入って来たから、
助かったゎ
これがおじいちゃんから聞いた事ある、
金縛りゆうやつらしいわ 」
Dは、言いました
「 あれが金縛りゆうやつか…
俺も昔、それになったんよ
また、同じじゃなぁ(笑
ただ、上に乗っかって来たのは、
痩せてたし、子供みたいだった
顔はよう見えんかったんじゃけどなぁ、
今から思うと、
お前がふざけて乗っかって来た、
そんな感じだったなぁ…」
僕、
「 俺も金縛りにあっとったんじゃし、
それは無いけん、しそうではあるけど(笑
いや、まず知りおうてないけん!(笑 」
D、
「 じゃなぁ…
ほんでも同時に金縛りにあうとか、
不思議じゃなぁ 」
僕、
「 そういや、なんか言うてたな 」
D、
「 言うてた! 」
僕、D、
「 トラックには、気を付けろ! 」
D、
「 やっぱ一緒じゃなぁ 」
僕、D、
「 ぎゃっはっはっはっ… (笑 」
これが初めての一致する体験でした
一緒に友達数人に話したのですが、
お前らならあるかもなぁ、と、
ちょっとからかわれ、笑われて終いでした
僕らは不思議な体験を同時に経験する、
そんなことが多々ありました
幼少期に花火で火傷して、
右手にアザが残りました
Dにも同じ所に同じアザがあるのです
それも同じ時期です
光GENJIの影響でローラースケートを
買いました
それも同じ日に
そして、別々に遊んでいたのに、
同じタイミングで、
『 四つん這い ババァ 』
に、追われました
岡山県北に住んでるんですが、
県南の岡山市に遊びに行った際、
もの凄い恐怖体験をしたのですが、
そんな話しをDから聞いて、
俺もそれなったで、ってなるんです
ある日、
家族で美作の丘というデッカい風車がある、
焼肉食べ放題の店に行った時、
Dもたまたま家族で来てたんです
食べ終わって外で話しをしてた時、
風車に人がぶら下がってるのが見えました
Dと面食らってる間に、
「 ドスーン 」
目の前で、落ちたのです
救急車も来て、大惨事になりました
そんな経験もしました
何かを経験して、次の日、
Dに話そうとする、
どちらからともなく、話し出し、一致する
そんな事もザラでした
ただ運動神経は、と言いますと、
Dは、運動神経も良く、足も速い、
勉強は苦手で中の上の普通くらいでした
僕は、記憶力が良く、勉強は出来ました
運動神経が中の上で、
足もそんな速くは無い
そんな違いがありました
二人足したら超人なんて、
良くからかわれたもんです
一緒に習い事もしました
スイミングに通ったり、
サッカークラブに入ったりして、
当時流行ってた、
翼くん、みさきくん、ゴールデンコンビ、
とはいかず、
Dは、オフェンス、
僕は、ディフェンスといった感じで、
それでも楽しく過ごしてたと思います
水泳は、思ったより出来て、
唯一Dに、運動で勝てました
Dは、泳ぎが苦手で必死に練習してたのを
思い出します
そんなこんなで一年生の夏は過ぎ、
肌寒くなっていく秋を超え、
冬休みになりました
Dと一緒に、買い物に行った時の事です
クリスマスプレゼントを買いに行ってました
互いの幼馴染の女の子のプレゼントを
一緒に選んだりして、
初めての事にワクワクしてました
好きな子は不思議と被ってなかったですね
ショッピングの帰り道、
突然の出来事
僕は、火事で幼馴染を亡くしました
僕の目の前で…
小学二年生になり、
Dとクラスが一緒になり、
僕は嬉しかったのですが、
二人の距離感は少し微妙になりました
Dは、Dの幼馴染とすごく仲良しで、
僕に気をつかってたのか、
学校で話すことが減りました
全くの疎遠とか話さなくなったとかではなかったのですが、
微妙に違和感がある様になってしまいました
DとDの幼馴染と僕が一緒のクラスになり、
二人を見なくなったのは、
僕の方かもしれません
意識はしてないつもりだったと思います
二人共と話さなかったわけではなく、
三人で話すことはほぼ無かったと思います
喘息が治り、僕はスイミングを辞めました
Dとは、
サッカークラブで一緒に楽しく通ってました
DとDの幼馴染は、
僕のおじいちゃんの家に近く、
Dの幼馴染は、
僕の母方の旧姓と同じ苗字で、
遠い親戚にあたります
夏の盆に入った頃、
おじいちゃんの家に泊まりに行きました
その町内の夏祭りに参加し、
三人で久しぶりに遊びました
DとDの幼馴染と三人で、
会話するのも久しぶりでした
すごく楽しい時間でした
同い年の友達やその兄弟も一緒になって、
大盛り上がりの楽しい楽しい祭りでした
小学二年の夏、
Dは、亡くなりました
祭りの帰り道、
計らずも何故か、二人きりになり、
色々話しながら帰ってました
幼馴染が亡くなってからというもの、
人前でカラ元気な俺を見るのが、Dは辛く、
学校で話しにくくしてしまっていた事
似てると周りから言われ、
兄弟みたいに仲良かった自分達の間柄で、
自分(D)だけ幼馴染と仲良くしていると、
話しかけにくいんじゃないかと、
思っていたけど、
それを見せなくするのも違うんじゃないかと、
葛藤していた事
俺は普通にしてたつもりだったけど、
言われてみれば、
取り繕ってたんかもしれんと、話し、
サッカー、一緒にしてる時は、
普通に楽しそうで話しやすかった事など、
いっぱい話しました
田舎道なので、大通りは無いのですが、
細い脇道から少し大きい道に出て、
右に行ったら僕のおじいちゃんの家
左に行ったらDの家
ホンマにもう少しで着く、その時です
「 パーン、パンパーン 」
トラックのデッカいクラクションの音
視界に入って来たのは、
サッカーボールで遊ぶ幼い子
Dと俺は一緒に走り出しました
Dは子供を抱えて庇う形で、
トラックに激突しました
俺が遅れて、その光景を目にしたすぐ後に、
手前を反対側から来る対向車に、
跳ね飛ばされました
僕は、打撲や擦り傷だけでした
気が付くと、おじいちゃんの家で、
寝かせられていました
次の日、
急遽学校に登校する事になり、
朝礼で担任の先生が話し出しました
Dは、祭りの後、
行方不明になったと告げるのです
今までにないくらい、異様なほど、
取り乱しました
俺はムキになって事故の話しをしました
机蹴飛ばしたり、ひっくり返したり、
大暴れです
確かにおでこに事故の擦り傷がある
( 今でもアザになってます )
Dに会いたかった
行方不明なんて、
訳の分からない話しで済ましてほしくない
そう思い、必死に担任に訴えたのです
クラスの友達も行方不明になったのだと、
僕をさとして来ました
今から思えば、多分、皆、
死よりも生きてる事を願ったのだと思います
その後、
誰に聞いてもトラック事故はありませんでした
ただ、僕が乗用車に引かれ、子供は助かり、
その親からも大変、感謝されました
それは僕では無く、Dが助けたのです
受け入れたくありませんでした
俺が助かったんなら、
Dも助かってるんです
そう思いたかった
少し足の速さが違っただけ…
僕は、今でも何が真実かわかりません
Dと僕は、皆んなと仲良くて、
イジメられてる子とも仲良くて、
からかわれることはあっても、
皆んな仲良くなっていったんです
子供なので些細なことで喧嘩などは、
ありましたが、
僕が誰かにキレても、Dが止め、
Dが誰かにキレても、俺が止めてました
どちらかと言えば、Dの方が優しかったです
Dと仲良くなってイジメが止まり、
イジメてた子は、今はこの世にいません
Dと僕らをちょっとからかってただけの友達たちは、のちに、
全員トラックに跳ねられた経験をします
小三の一年間の間に…
先生方も含め…
命に関わる程ではないようです
もし仮に、怨念めいたものだったとしても、
Dは、そんなヤツじゃない
いつからか、
そんな事が頭に浮かぶようになったのは、
Dは亡くなったと思った方が、
Dの成仏や生まれ変わりなどを願えるから
いや、
時間が経ち過ぎて、都合良く考えてしまい、
折り合いを付けようとしている自分が、
いるのかもしれません
最後にDの幼馴染と会話したのは、
大人になり、Facebookが流行っていた頃、
まだLINEもなく、
Facebookのメールで、
やり取りをしたのが最後です
プロフィールでは他県に居て、
結婚もしているようでした
その時聞いた話によると、
Dの話は、タブーになったそうです
僕は、小四で転校しました
同じ市内の東から西の小学校に…
思い返してみると、
同じ津山の高校で再会した転校前の友達と、
Dの会話はしていません
こないだ、この話しを投稿する前に、
Dを知る何人かの友達に、
Dの話しを少ししてみました
「 Dは、お前だろ? 」
そう口を揃えたように皆んなに言われました
それ以上Dの話しは、
話す気にもなれなかったのですが、
話しを変えて終わらしました
数人の無事は確認出来たので、
それはそれで良かったと素直に思います
連絡先が分からない友達も数人いたのですが…
Dの事を覚えている友達は、
もはや僕とDの幼馴染だけになってしまったのかもしれません
ある日の飲み屋さんでの事
もう何年かコロナより前の話しです
知り合いの店のカウンターで一人、
飲んでいました
転校する前の小学校の友達数人に、
偶然、会いました
僕が店員さんと一緒に一人飲んでいると、
後からボックスの方に入って来たのです
その小学校の同窓会の三次会だったそうです
その時、友達の一人が言いました
「 お前らも呼んじゃればよかったな… 」 と…
僕は、一人で飲んでます
不思議な事もあるもんです…
Dがいなくなり、
転校してから、僕に変化も起こりました
僕は小四から急に足が速くなりました
特に運動会のリレーや逃げ足が速い
50m走のタイム事に決められた順番で、
半周差をべべから、ごぼう抜きでトップへ
中学生の頃、50m七秒の僕が、
6.7秒の子から追い付かれないくらい、
逃げ足が速くなったのです
高校生くらいになると、
警察からも大差をつけて逃げ切るくらいでした
( タバコは10歳から吸ってます
すいません )
転校して、
サッカークラブからスポーツ少年団に変わり、
ソフトボール、サッカー、バスケと、
小学生の間続けましたが、
転校前がウソみたいに運動神経が良くなりました
成長期ではありますが、
中学一年の身体測定では、
134cmの身長で、
体格が良いわけでは無かったのです
僕は、Dと共に人生を歩んでいる、
そう思いたいのです
Dと僕の共通の前世の記憶
それは、
二人共一緒に家臣を務めた親族時代
陰陽師として競い合った時代
馬小屋で産まれた兄弟時代
ヨーロッパとインドで離れ離れな時代
地球とは違う所で生きていた時代
微かにあるこの記憶は、
何も確信はありませんが、
小学一年生当時、
その話しで二人盛り上がり、
ビックリしたのも良く覚えています
輪廻転生があるのだとしたらですが…
誕生日とは…
誕(いつわり)の生まれた日と書きます
人は、罪を償うために、
地球に降り立ったらしいですよ
そして、
償えるまで輪廻転生を繰り返す、
らしいです
亡くなった日を
『 命日(いのちのひ) 』と書きます
亡くなる前を
『 生前 』なんて呼んだりもしますよね
もしかしたら、この世は、
『 誕 の日々 』
なのかもしれません…
人生を全うしてみなければ解りませんが…
今年も 命日が、近づいてまいりました
僕はまだ、生きていると思います
彼と共に…
同じ日に産まれた、魂の片われ
最後まで読んで頂き、感謝致します
最初の金縛りの時、上に乗っかってたの、
あれ、両方とも、僕なんです…
太くてデカい大男は、今の僕です…