「黄色いたぬき」

投稿者:影絵草子

 

曽根さんが地方の川で渓流釣りを楽しんでいると、

ライフジャケットを着た男がぽつんと一人いる。

穴場なので自分以外にいるなんて珍しいなと、

何か話しかけようとしたが、男は顔が黄色みがかっており、笑い顔を浮かべている。

それに、首が妙な方向に曲がっていて、あれは、おかしい。

とたんに狸だと思い、

「おい!」と後ろから声をかけるとそのまま川に落ちた。

さすがに助けてやらねばと思い男を探すが、あの黄色い男の姿は、どこにもなかった。

ただ、あたりがやたら硫黄臭かった。親父もじいさんも同じ体験をした数年後に亡くなっている。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計
毛利嵩志15515151060
大赤見ノヴ1298121152
合計2714232721112

 

書評:毛利嵩志
黄色い顔の男。狸だとみなす主人公。硫黄との関連など山の怪談としておもしろいです。前から見てたはずなのに後ろ姿になってるのは気になる。

書評:大赤見ノヴ
なぜ狸と思ったのかが謎でモヤモヤが残るがその分ユーモアさに加点させてもらいました。ただ同じモノを見た祖父も父も亡くなっている怖いですね。