曽根さんが地方の川で渓流釣りを楽しんでいると、
ライフジャケットを着た男がぽつんと一人いる。
穴場なので自分以外にいるなんて珍しいなと、
何か話しかけようとしたが、男は顔が黄色みがかっており、笑い顔を浮かべている。
それに、首が妙な方向に曲がっていて、あれは、おかしい。
とたんに狸だと思い、
「おい!」と後ろから声をかけるとそのまま川に落ちた。
さすがに助けてやらねばと思い男を探すが、あの黄色い男の姿は、どこにもなかった。
ただ、あたりがやたら硫黄臭かった。親父もじいさんも同じ体験をした数年後に亡くなっている。