ひとりで夜道を歩いていたら、前方から猫の声が聞こえてきた。
見ると、赤ん坊を抱いた女性がこちらに歩いて来る。
猫ではなく、赤ん坊が泣いていたのだと思った。
だが、女性とすれ違った際にそれが間違いであることを知った。
猫のように鳴いていたのは、虚ろな眼をしたその女性だった。
ひとりで夜道を歩いていたら、前方から猫の声が聞こえてきた。
見ると、赤ん坊を抱いた女性がこちらに歩いて来る。
猫ではなく、赤ん坊が泣いていたのだと思った。
だが、女性とすれ違った際にそれが間違いであることを知った。
猫のように鳴いていたのは、虚ろな眼をしたその女性だった。
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
毛利嵩志 | 15 | 10 | 10 | 5 | 15 | 55 |
大赤見ノヴ | 12 | 14 | 12 | 10 | 13 | 61 |
合計 | 27 | 24 | 22 | 15 | 28 | 116 |
書評:毛利嵩志
本当に最小限の文章しかないのですが、これで必要十分。最後の一捻りに加え、「虚ろな目」の描写も良かったです。
書評:大赤見ノヴ
生者なのか死者なのか不明。生きていれば怪談ではない。死者であれば途端い想像が広がり恐怖度が増す。ショート怪談の良さが詰まった良作。