「姑獲鳥」

投稿者:ななめごはん。

 

ひとりで夜道を歩いていたら、前方から猫の声が聞こえてきた。
見ると、赤ん坊を抱いた女性がこちらに歩いて来る。
猫ではなく、赤ん坊が泣いていたのだと思った。
だが、女性とすれ違った際にそれが間違いであることを知った。

猫のように鳴いていたのは、虚ろな眼をしたその女性だった。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計
毛利嵩志15101051555
大赤見ノヴ121412101361
合計2724221528116

 

書評:毛利嵩志
本当に最小限の文章しかないのですが、これで必要十分。最後の一捻りに加え、「虚ろな目」の描写も良かったです。

書評:大赤見ノヴ
生者なのか死者なのか不明。生きていれば怪談ではない。死者であれば途端い想像が広がり恐怖度が増す。ショート怪談の良さが詰まった良作。