粗相を叱られ、炭鉱の長屋の家の前の下水の溝に跨っている時でした。周囲は漆黒の闇。私は泣きながら、唯一の明かり、電柱の裸電球のぼんやりした光を見つめていました。その下から、ピンク色が見えました。誰が来たのなら助けてもらおう。目を凝らしました。それは段々と大きくなり人型になりました。少しずつ私へ近づきます。人間じゃない!逃げよう!必死で父へ訴えました。家に入れてお父さん!ピンクが!ビンクが来る!後に聞いた話。それは炭鉱事故の犠牲者で、大火傷を負って亡くなった人でした。皮膚が、めくれていたのでした。
粗相を叱られ、炭鉱の長屋の家の前の下水の溝に跨っている時でした。周囲は漆黒の闇。私は泣きながら、唯一の明かり、電柱の裸電球のぼんやりした光を見つめていました。その下から、ピンク色が見えました。誰が来たのなら助けてもらおう。目を凝らしました。それは段々と大きくなり人型になりました。少しずつ私へ近づきます。人間じゃない!逃げよう!必死で父へ訴えました。家に入れてお父さん!ピンクが!ビンクが来る!後に聞いた話。それは炭鉱事故の犠牲者で、大火傷を負って亡くなった人でした。皮膚が、めくれていたのでした。
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
毛利嵩志 | 10 | 10 | 5 | 5 | 10 | 40 |
大赤見ノヴ | 16 | 13 | 14 | 15 | 13 | 71 |
合計 | 26 | 23 | 19 | 20 | 23 | 111 |
書評:毛利嵩志
暗闇、電灯の光、ピンク、と三色の対比が映像的です。具体的にピンクのどんなものなのか(実体がある感じなのか、モヤなのか)みたいなのがあればより◎。
書評:大赤見ノヴ
冒頭の「粗相を叱られ、炭鉱の長屋の家の前の下水の溝に跨っている時でした」で完全にハートを捕まれた。何、このツカミ。今回1番ユーモアさが高い体験談。ただしっかり怪談の怖さと悲しさが入り乱れている。