「炎のスキーヤー」

投稿者:平中なごん

 

まだバブルで日本中が浮かれていた頃の話。当時大学生だった俺も流行に乗って、大学の友人達とよくスキーに行っていた。
 だが、あるスキー場でナイトスキーを楽しんでいた時のこと。後方から松明を持ってると思しきスキーヤーが滑り降りて来たのだが、松明にしてもやけに明るい。怪訝に思って振り返ってみると、それは松明ではなく、全身炎に包まれた人間だった。
 そいつは唖然とする俺達を追い抜き、そのまま闇の中へと消えていった……後で調べると、かつてその近くでバンガローが火事になり、スキー客の焼死する事件があったのだという。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志101510101055
大赤見ノヴ131413141367
合計2329232423122

 

書評:毛利嵩志
雪夜のスキー場に炎の明るさ、と情景がカラフルです。そこはかとない寂しさも感じさせます。

書評:大赤見ノヴ
炎に包まれたスキーヤーを見た時点で勝ちです。怖いし悲しいし、ちょっとおもろいもん。