まだバブルで日本中が浮かれていた頃の話。当時大学生だった俺も流行に乗って、大学の友人達とよくスキーに行っていた。
だが、あるスキー場でナイトスキーを楽しんでいた時のこと。後方から松明を持ってると思しきスキーヤーが滑り降りて来たのだが、松明にしてもやけに明るい。怪訝に思って振り返ってみると、それは松明ではなく、全身炎に包まれた人間だった。
そいつは唖然とする俺達を追い抜き、そのまま闇の中へと消えていった……後で調べると、かつてその近くでバンガローが火事になり、スキー客の焼死する事件があったのだという。