栞里さんのクラスに由香里という女がいた。
由香里は虐めが常習だった。それが原因で同級生の一人も不登校になる。だが由香里は急病で他界した。彼女の葬儀の日。近親者の流す涙を見ても、共感出来ない。すると静かな斎場に声が響く。「きゃはは!」笑い声。見渡すが、誰も笑っていない。声は変わらず響く。聞き覚えがある。それは「ざまぁみろ…」と呟き、消えた。全員の表情が凍る。その後、不登校の同級生が登校するようになった。彼女は笑顔を取り戻す。「きゃはは!」その笑い声はあの日、斎場で聞いたものと瓜二つだった。
栞里さんのクラスに由香里という女がいた。
由香里は虐めが常習だった。それが原因で同級生の一人も不登校になる。だが由香里は急病で他界した。彼女の葬儀の日。近親者の流す涙を見ても、共感出来ない。すると静かな斎場に声が響く。「きゃはは!」笑い声。見渡すが、誰も笑っていない。声は変わらず響く。聞き覚えがある。それは「ざまぁみろ…」と呟き、消えた。全員の表情が凍る。その後、不登校の同級生が登校するようになった。彼女は笑顔を取り戻す。「きゃはは!」その笑い声はあの日、斎場で聞いたものと瓜二つだった。
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計点 |
---|---|---|---|---|---|---|
毛利嵩志 | 10 | 15 | 10 | 10 | 10 | 55 |
大赤見ノヴ | 18 | 18 | 15 | 15 | 16 | 82 |
合計 | 28 | 33 | 25 | 25 | 26 | 137 |
書評:毛利嵩志
「きゃはは!」という直接的なセリフから、甲高い笑い声が脳裏に浮かぶようです。短文でたたむ後半のテンポアップも良い。
書評:大赤見ノヴ
これも所謂オーソドックスな怪談なんですが誰も救いがない嫌な話でオチは読めるのに怖いのは文章力が高いから。素晴らしい。