「誰・・・」

投稿者:那由多

 

彼の実家に泊まっていたAさん。
「ガラッ!」
 早朝、引戸が開く音で目が覚めた。
彼がバイトから帰って来たのかと、戸の方に目をやった。
そこには見知らぬ女がいた。
緩いカールの長い髪。
ツバの広い帽子で顔を覆い、冬だというのに、
袖なしのワンピースを着た女が、ゆっくりとAに近づいて来た。
恐怖のあまり、ギュッと目を瞑った。
恐る恐る目を開けてみると、女は消えていた。
 後日、彼と彼の弟に話した所、弟もこの女を見ていた。
ワンピースから伸びる痩せて、骨張った腕と脚、弛んだ皮膚。

顔は見えなかったけどあれ、老婆だったよね・・・

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志101510101055
大赤見ノヴ131415141571
合計2329252425126

 

書評:毛利嵩志
女の描写に大半の文字数を使い、正体などについてはほとんど何も語らず、読み手の想像力に任せているのが潔い。

書評:大赤見ノヴ
頭の中に想像するとツバの広い帽子で顔を覆った袖のないワンピースのガリガリの老婆…怖かったです…