「テレビの中の自分」

投稿者:平中なごん

 

昼食時、なにげなくテレビを観ていたら、ワイドショーでとある観光地の賑わう様子を映していた。俺の家からは少し遠いが、誰もが知っている有名な場所だ。だが、なんだか妙に違和感を覚えて目を凝らしてみれば、その雑踏の一番手前に俺のよく知る人物がいる……それは、俺だ。俺自身がその画面に映っているのだ。それがライブ映像ではなく録画だとしても、そんな所へ行った記憶は微塵もない。どう見ても俺にしか見えないが他人のそら似か? と思っていると、そいつがカメラの方へ振り返り、まるで俺に向けているかのようにニヤリと笑った。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志10108101048
大赤見ノヴ171717161784
合計2727252627132

 

書評:毛利嵩志
ドッペルゲンガーなどと考える余地を与えず、ストンと切る心地よさ。もうひとつポイントが欲しかったような気も……。

書評:大赤見ノヴ
ドッペルゲンガー?だとしてもなぜこちらを向いて笑っているのか?あたかも、いずれそちらに行くよと言わんばかりの気持ち悪さが良いですね