大学卒業後、俺はとあるリサイクルショップに就職した。新人が任されるのは倉庫で商品を出し入れする肉体労働だ。上司や先輩は「おい、気をつけろよ」と優しく声をかけてくれるが、それが違う意味だったことにやがて気づく……。
独り倉庫で仕事をしているとなんだか視線を感じるのだ。しかも決まってある一角に近づいた時に。気になって山積みのガラクタを退けてみると裏からガムテープでぐるぐる巻きにされたロッカーが出てくる。さすがに開けてみる勇気はなく、恐る恐る先輩に訊いてみたが「知らない方がいいこともある」と答えられた。