ある夫婦が東北の旅館に訪れた。廊下で着物の子供とすれ違う。
あれが有名な座敷わらしかと旦那さんは笑っていたが自分にはどうも違うもののように思えた。
旦那さんはそのやや小太りでおかっぱ頭で赤い着物の白粉の塗られた真っ白い顔の子供に笑いかけられたという。
その旅行が旦那さんとの最後の旅行になった。交通事故で旦那さんは亡くなった。
旅行で再度訪れた旅館の女将曰く、あの子供は確かに座敷わらしとみんなは呼んで有り難がっているが、気に入った人がいれば連れていく。
女将さん曰く本当のことは言えない、だそうだ。