「すまんな」

投稿者:小金井

 

 俺がビルの警備で入口に立っていたら、みすぼらしい爺が現れて、着いてきてほしいと言う。一緒にビルに入り、そのままエレベーターに。爺はしきりに「すまんな」と言う。
 着いたのは屋上。
 爺はまた「すまんな」と言って、屋上の端まで行った。まさかと思ったが、爺は俺に下を覗きこむように促してきた。
 覗きこむと、ビルのすぐ裏で爺が血溜まりの中で倒れていた。そこは工事の関係で出入りできなくなっているエリアだった。
 振り返ると、爺はいなくなっていた。
 俺は下に向かって「ええんやで」と叫んだあと、通報した。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志121512121263
大赤見ノヴ171616161681
合計1215121212144