夏の日のことだ。節約のため、エアコンではなく扇風機のスイッチをオンにした。2年前に買った、人感センサー付きの扇風機である。部屋の中に流れる涼しい風が、風鈴に当たると、「チリーン」と儚く鳴る。すると扇風機が誤作動を起こしたのか、部屋の片隅へと首を振り始めた。しかし片隅には誰もいない。私は、扇風機の首をこちらへと強引に向けた。その瞬間「チリンチリン!」と風鈴が激しく揺れはじめ、辺りに鳴り響いたのだ。
私は思わず扇風機に問いかける。
「姉が首吊り自殺した片隅へ、首を振るのは止めてくれないか?」
夏の日のことだ。節約のため、エアコンではなく扇風機のスイッチをオンにした。2年前に買った、人感センサー付きの扇風機である。部屋の中に流れる涼しい風が、風鈴に当たると、「チリーン」と儚く鳴る。すると扇風機が誤作動を起こしたのか、部屋の片隅へと首を振り始めた。しかし片隅には誰もいない。私は、扇風機の首をこちらへと強引に向けた。その瞬間「チリンチリン!」と風鈴が激しく揺れはじめ、辺りに鳴り響いたのだ。
私は思わず扇風機に問いかける。
「姉が首吊り自殺した片隅へ、首を振るのは止めてくれないか?」
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計点 |
---|---|---|---|---|---|---|
大赤見ノヴ | 18 | 19 | 18 | 18 | 18 | 91 |
毛利嵩志 | 12 | 15 | 15 | 12 | 15 | 69 |
合計 | 30 | 34 | 33 | 30 | 33 | 160 |