「蛍火」

投稿者:高崎 十八番

 

 夜の帳が下りた頃。蛍火の観賞を田中さんは楽しんでいた。お尻を光らせた蛍達が、目の前を縦横無尽に飛び交って行く。「昔の人間は、夜中に蛍火を目撃して人魂だと勘違いしたのだろう」と田中さんは蛍火に思いを馳せた。雑草の上で蛍が弱々しく光っている。その光につられて、元気そうな蛍が1匹飛来。交尾である。蛍は尻を光らせることによって求愛行動をするのだ。2つの光が闇夜の中で交わる。

 すると突然、雌雄の光が消えた。

 蛍の様子を伺うため、懐中電灯を取り出し照らしてみると、人の顔をしたカマキリが蛍を貪っていたそうだ。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ161615161578
毛利嵩志151515121572
合計3131302830150