霊感がある伯母は
救急救命士である父に対して
いつも会うなり苦言を呈していた
また昨日、死に立ち会ったでしょう
良くないものがついてるわ
あなたの後ろで助けて助けてって
少女が叫んでるわ
父曰く伯母の話す内容は
実際に出動した件に酷似していることも
多かったそうなのだが
その日の父は虫の居所が悪かったのか
ついに切れてしまった
「姉ちゃん、
俺が最善を尽くさなかったら
救える命も救えなくなるのわかってんのか?
そんなスピリチュアルに傾倒してないで
もっと人間を見ろよ」
その時、父の後ろから
パチパチと拍手の音が聞こえた気がした