「感謝」

投稿者:落合ちゃん

 

霊感がある伯母は
救急救命士である父に対して
いつも会うなり苦言を呈していた

また昨日、死に立ち会ったでしょう
良くないものがついてるわ

あなたの後ろで助けて助けてって
少女が叫んでるわ

父曰く伯母の話す内容は
実際に出動した件に酷似していることも
多かったそうなのだが

その日の父は虫の居所が悪かったのか
ついに切れてしまった

「姉ちゃん、
 俺が最善を尽くさなかったら
 救える命も救えなくなるのわかってんのか?
 そんなスピリチュアルに傾倒してないで
 もっと人間を見ろよ」

その時、父の後ろから
パチパチと拍手の音が聞こえた気がした

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ151615151576
毛利嵩志121215151266
合計2728303027142