「鬼葬-kisou-」

投稿者:高崎 十八番

 

恵子の実家は、田舎の小さな限界集落にあった。その集落では、毎年【鬼葬】という祭りが夏至の晩に開かれる。鬼葬とは、鬼を捕獲して村の豊作を神に願う祭りのことだ。恵子も子供の頃は、その祭りに巫女として参加していた。村人が宴を催す中、鬼は檻の中に幽閉されている。祭りが佳境に入ると、木の柱に強引に鬼を括り付け、村人たちは一斉に棍棒で殴りはじめた。次第に「早く鬼を殺せ!」と村人たちは殺気立ち、鬼の腸を農具を使って抉り出していく。しかし恵子には、その鬼と呼ばれている存在が、人間の姿にしか見えなかったそうだ。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ161616171681
毛利嵩志151212121263
合計3128282928144