「金髪」

投稿者:大福餅

 

 修羅場は櫛に絡め取られた一本の髪の毛から始まる。
「何なのこれは?」
 妻は長い金髪を一本摘んで夫に見せた。夫は神妙な顔をしていた。
「し、しし、知らないよ」
 明らかに狼狽えていた。
「一体誰なのよ?!」
 妻はテーブルを激しく叩き、怒鳴った。
「じ、実は…」
 夫は渋々クローゼットを開け、金色のカツラを一つ取り出し、頭に被った。
「どうしても、コミケに行きたくて…」
 夫のむさい顔と、ロングの金髪との相性は最悪だ。
「それで、貰ったんだ」
 夫はクローゼットの奥に体操座りをさせられ、髪を剃り落とされた女性の死体を見せた。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志151215151875
大赤見ノヴ161717161783
合計3129323135158