幼少の時、不思議な友達がいた。
彼女は、花と話せると言っていた。
私は仲が良かったので、信じたフリをしていた。
彼女は嘘つきといじめられるようになり、転校してしまった。
彼女が去ってから、私にも花の声が聞こえるようになった。
誰も信じてくれず、いじめこそないがその時は花と話すのだけが拠り所になって孤立した。
高学年になり友達とも元通りになり、花と話す事もなくなった。
今思い出すと、どの花の声も、転校したあの子の声だった。
「私だけがあなたの味方」
花はいつも言っていた。
彼女もそう言って欲しかったんだろうか。