僕は両親との思い出がない。
僕はこの小母さんにずっと育てられてきたからだ。
小母さんは言う。
「お前を誘拐して良かったよ…ありがとね」
小母さんは息を引き取った。
僕が逃げないように、ありとあらゆる我がままを受け入れてくれた小母さん。
小母さん、本当にありがとう。
もう僕の我がままを受け止めてくれる人はいない。
だから今度は、僕が誰かの子供の我がままを受け入れてあげよう。
小母さんは僕を誘拐した。
小母さんは誰に誘拐されたんだろう…。
僕は女の子を誘拐した。
僕以上に幸せにしてあげるからね。