「しらせ」

投稿者:黒鷺瑛二

 

バチーンッと凄まじい音に振り向くと、道路に俯せで横たわったひとがいる。
長い黒髪がアスファルトに放射状に広がり、見る間にその周囲が黒く濡れていく。紺の学校制服とおぼしいので女子学生のようだった。
まさかと脇のマンションを見上げたとき、鞄のなかのスマートフォンがけたたましく鳴った。
見知らぬ番号。通話を押してみると「いまうちのむすめがとびおりたでしょう」と、そんな声が聞こえたが、すぐに切れてしまったという。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志151515121572
大赤見ノヴ141514151472
合計2930292729144