ケイトさんは学校帰りにサトウキビ畑に囲まれた小道を見つけた。方向的にどうやら家までの近道になりそうだ。
冒険心をくすぐるその道へ足を踏み入れる。
少し進んだところで誰かの後ろ姿が見えた。それは母によく似ており、思わずケイトさんは駆け寄って声をかけたのだが、振り向いたその人は見知らぬ女性であった。
恥ずかしさを感じながら人違いだったことを伝えると、微笑みを浮かべたその女性は物凄い速さで後ろ向きにザザザーッとサトウキビ畑の中へ消えていった。
姿が見えなくなるまで、その顔はずうっとこちらを見続けていたという。