中2の時
文武両道で顔も性格も良い奴がいた
そんな奴と俺は縁がないと思っていたが
文化祭で同じグループになったのを機に
家に遊びに行くようになった
行くうちに ある人を紹介してくれた
リビングのエアコン横の “ 顔だけの女性 ”
親に叱られる時も
両親の酷い夫婦喧嘩の時も
優しく微笑むその女性と目が合い
奴は心が落ち着くのだそう
『 家族には言えないけどさ たぶん守護霊さんだよ。』
奴が笑顔で言う
俺には全く見えなかった
でも 幽霊は怖いだけじゃないんだと思った
クリスマスの夜
父親の愛人の放火で
奴だけが亡くなった
俺はもう思い出したくない