「お賽銭」

投稿者:木綿めも

 

昔、祖父は宮司で、あるとき賽銭を回収すると変なモノが混じっていた。歪んだ切れ端。光沢がある。念のため取っておいた。その後も何度も似たのが投げ込まれる。相変わらず何かは不明だったが、不意に正体が判明した。

顔だった。

その日入っていたのはそれで、ようやく、今までのものはその人の全身写真をバラバラに切り刻んだ一部だったのだと知れた。
そして、そこを境に行為はピタリと止んだ。
「ただ数週間後に、えらく大きな額が賽銭箱に納められててね……」
祖父はずっとそのことが引っ掛かかっている、と語った。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志121215121263
大赤見ノヴ141415151472
合計2626302726135