ここに越してきて２５年経つのだが、気になって仕方のないことがある。毎日、車で通る道沿いに生い茂った夏草に隠れた平屋が一年に一度だけ草刈りされる日がある。横の道を通るたびに廃墟なのだろうと思っていたが気が付くとある日突然、草刈りがなされて家屋が見えるようになっている。大きくもなく小さくもなく至って普通の庭と無人の家屋。ある日、その草刈りが近所の人たちに寄って行われているのを目撃することができた。きれいになった庭で家屋に向かって一斉に手を合わせている近所の人たち。一体何に手を合わせていたのだろう。
「草刈りの家」
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 大赤見ノヴ | 16 | 14 | 15 | 15 | 14 | 74 |
| 毛利嵩志 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 60 |
| 合計 | 28 | 26 | 27 | 27 | 26 | 134 |