週刊記者のSは怪談の取材で、人面蝶が棲むと聞く村を訪れた。Sが村の男に相談すると、捕獲を手伝ってくれると言う。
「羽の模様が人の顔に見えるんだよ。久しぶりに捕まえてえなぁ」
協力的な台詞にSは安心する。
二人で森を探索し、人面蝶とやらを数匹捕まえた。正直、そこまで怖くなく拍子抜けした。
少し休んでけと言われ男の家に案内されると、男は自分の子供達を呼んだ。
突然、皆で茶碗を取り炊飯器から米を盛ると、人面蝶の羽を毟ってパラパラと鱗粉をかけた。
「これが美味いんだ。……あんたもどうだい?」
十の瞳がSを見る。