今年で二十歳になるAの腕には、芋虫が住んでいる。
皮膚の表面をゆっくりと蠢き、たまに首を上げてこちらを見た。
何度振り払っても潰しても、少し経つと同じ場所に現れ皮膚を這い回る。
当初こそ、Aは気持ち悪くてどうにかなりそうだったが、徐々に愛着が湧いた。
今では毎日愛でるのが習慣である。
「ようやく蛹になったわね。どんな蝶になるか楽しみ……」
老婆の顔をしたAは芋虫などいない腕を撫で、心底嬉しそうに言った。
今年で二十歳になるAの腕には、芋虫が住んでいる。
皮膚の表面をゆっくりと蠢き、たまに首を上げてこちらを見た。
何度振り払っても潰しても、少し経つと同じ場所に現れ皮膚を這い回る。
当初こそ、Aは気持ち悪くてどうにかなりそうだったが、徐々に愛着が湧いた。
今では毎日愛でるのが習慣である。
「ようやく蛹になったわね。どんな蝶になるか楽しみ……」
老婆の顔をしたAは芋虫などいない腕を撫で、心底嬉しそうに言った。
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計点 |
---|---|---|---|---|---|---|
大赤見ノヴ | 16 | 16 | 16 | 15 | 16 | 79 |
毛利嵩志 | 12 | 12 | 15 | 12 | 12 | 63 |
合計 | 28 | 28 | 31 | 27 | 28 | 142 |