「カラカラ」

投稿者:3番

 

私が通っていた大学は敷地が広く、新しい棟と古い棟が混在していて、高低差で隣の棟に移ると階が違うなんて事もあった。
授業の合間、少し古くて半地下になっている階の女子トイレに1人で入った。
紙をカラカラと引っ張り出した時、隣の個室からも同じ音が聞こえた。
カラカラカラ、カラカラカラ••••••
と一定のリズムでなり続けている。
私は一瞬固まったのち慌てて個室を出た。
入った時にはどの個室も空いていたし、誰かが入って来た音も聞いた記憶がない。
あれは誰かの悪戯だったのか、そこにいた何かだったのか、分からないままだ。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ151414151573
毛利嵩志121512121263
合計2729262727136