「ひとりっこ」

投稿者:尻目まふゆこ

 

目が離せない子供だったと、母が言う。

 幼稚園に入る前、家族には内緒で真夜中散歩に出掛け、家から1時間も離れた場所でお巡りさんに保護されたことがあった。

 年長さんの頃には幼稚園から自宅までの大きな国道沿いを走って帰ったこともある。

「1人で勝手にどこかに行っちゃうんだもの。困った子よ」
 母はため息をつく。
「何言ってるの?」
 私は苦笑い。
「いつもお兄ちゃんが手を引いてくれて、子守りをしてたじゃん」
 母は眉根を寄せた。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ151514141573
毛利嵩志121512121263
合計2730262627136