家庭教師の僕は、絵を描くことが好きな不登校の女の子を新しく担当することになった。
スケッチブックを見せてもらうと、いわゆる『推しキャラ』の絵で溢れていて、色使いは独特だが、驚くほど画力が高かった。
そんな彼女が、「来週までに先生の絵を描いてあげる」と言ってくれたので、僕は快く了承した。
三日後、僕は交通事故に遭った。幸い命に別状はなく、仕事に復帰することができたが、顔に傷は残った。
随分時間が経ってしまったが、彼女に僕の絵を見せてもらった。ソックリに描かれていたものの、顔は肌色ではなく赤で塗られていた。