『これが読めたら、後ろを見てはいけません』
深夜の公園の古い公衆トイレのドア、その内側の奇妙な落書き。
一緒に肝試しに来た友人が入れ替わりで同じ個室に入ったので
「変な落書きがあったね」
出て来た彼女にそう言うと
「そんなの無かったよ」
と言う。見ると確かに消えているので、不思議に思いながらも2人で外に出た時
「見て」
前を歩く友人の声が、背後から聞こえた。
「どう「見て」したの?」
足を止めた私に声をかける彼女の言葉に、後ろから同じ声が重なる。
見るべきじゃないのは分かっている。
分かってはいる。