「空襲警報」

投稿者:青空あかな

 

 太平洋戦争の最中、祖母が経験した話。

 一人で畑仕事をしていたら、突然空襲警報が鳴った。
 防空壕にはまだ誰も来ておらず、急いで奥に入った。
 あと数歩で壁という瞬間、暗闇に三つの目が浮かび上がった。
 なぜか体が動かない。
 それが暗闇から出たとき、祖母は「ああ、死ぬんだな」と直感した。

 でも、偶然防空壕に通りかかった人が呼んでくれて、祖母は逃げられた。
 不審に思って村の皆に尋ねると、警報は自分にしか聞こえなかったらしい。

 防空壕の奥にいたのは何だったのか、死ぬまで絶対に教えてくれなかった。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ131414151571
毛利嵩志121215121263
合計2526292727134