太平洋戦争の最中、祖母が経験した話。
一人で畑仕事をしていたら、突然空襲警報が鳴った。
防空壕にはまだ誰も来ておらず、急いで奥に入った。
あと数歩で壁という瞬間、暗闇に三つの目が浮かび上がった。
なぜか体が動かない。
それが暗闇から出たとき、祖母は「ああ、死ぬんだな」と直感した。
でも、偶然防空壕に通りかかった人が呼んでくれて、祖母は逃げられた。
不審に思って村の皆に尋ねると、警報は自分にしか聞こえなかったらしい。
防空壕の奥にいたのは何だったのか、死ぬまで絶対に教えてくれなかった。