「俺が先に死んだら、絶対に化けて出て幽霊の存在を証明してやる!」
心霊を全く信じていなかった角田さんにそう約束していたオカルト好きの友人が、不慮の事故でこの世を去った。
彼は生前、霊には肉体がないため、人生で最も印象に残った時の姿で現れるのだと言っていたそうだが、角田さんとの約束を果たせることがよっぽど嬉しかったのだろう。
あれから毎晩、ひしゃげた身体を引き摺って、ぐちゃぐちゃになった顔で、彼は嬉しそうにこう繰り返すのだそうだ。
「ほらねほらねほらねほらねほらねほらねほらねほらねほらねほらねほらね」