「鍵を差す前の声」

投稿者:朧紙

 

いつもの帰り道、角を曲がった瞬間、空気が変わった。
音がない。風もない。通り慣れた道のはずが、何かが足りない。
信号機の点滅が早すぎる。コンビニの看板が色を変えている。
違和感をごまかしながら家の鍵を差し込んだ瞬間、
中から、自分の声がした。「おかえり」
鍵は、まだ開けていないのに。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ141414151471
毛利嵩志121515151572
合計2629293029143