「最愛の君に貰った言葉」

投稿者:柳家花ごめ

 

「動物と会話できる装置を作ったんだ」
「ああ、そういう玩具よくあるよな」
「そんなんじゃない。完璧に言葉を翻訳できる装置だ。これから家の猫で試作機を試すんだ、楽しみだよ。お前犬飼ってたよな。成功したら、今度貸してやるよ」

発明家の友人とそんな会話を交わした翌日、遊びに行ってみると、部屋で首を括っていた。側にはバラバラになった何かの機械と、メモが一枚。

『言葉なんて、いらなかった』

にゃあ、という鳴き声に振り返ると、彼の飼い猫の美しい瞳が、じっとこちらを見つめていた。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ161616171782
毛利嵩志121512151569
合計2831283232151