「寝起きの洗面台にて」

投稿者:ななめごはん。

 

洗面台の鏡を見て、悲鳴を上げた。
顔が溶けている。
顔の肉が、スライムの様に滴り、
眼球と歯がむき出しだった。
慌てて顔を撫でてみる。
手には、普通にいつもの感触が伝わった。
だが鏡の中では、どろどろの皮膚の上を手が撫で回している。
しかも、鏡の中の顔はどんどん溶けている。
頬をつまんで引っ張る。
溶けてるはずの頬がちゃんと引っ張れる。
どうなってるんだ?
台所に駆け込み、食事の支度をしている母親に「母さん!俺の顔!変?」と尋ねた。
母親は手を止めて振り向くと、
「変よ。とっても変よ」
そう言ってにちゃりと笑った。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ151514141472
毛利嵩志121215151266
合計2727292926138