「木が揺れる」

投稿者:京朔太郎

 

通勤時、河川敷を歩いていると木が揺れていた。
風が吹いていなかったので「不思議だな」と通り過ぎる。
次の日、昨日通った木の周りに規制線が貼ってあった。
事件があったのかと横目に通り過ぎる。
会社の席につくと先輩が河川敷の木で自殺があったと教えてくれた。
「何であんな所で自殺するんですかね」
「お前、最近こっちに転勤だから、知らなかったのか。有名なんだよ、自殺する人が多いって」
「たまたまじゃないんですか」
「あとな、風もないのに木が揺れるのを見ると、そいつが次に自殺するって子供じみた噂話もあるんだよ」

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ161515151677
毛利嵩志121212151263
合計2827273028140