夏祭りの夜、小2の僕はヨーヨーで遊びながら家に向かって歩いてた。周りにも浴衣姿の男女、子連れの家族がいて祭りの余韻を感じた。
ふとヨーヨーを持つ手にふわりと風を感じ、遊ぶ手を止める。何もない。うちわで仰いだような部分的な風だった気がするが、気にせずまたヨーヨーを上下させた。
おい小僧、と呼ばれ顔を向けると見知らぬおじさん。酔ってるのか顔は真っ赤だしボロの甚平みたいなのを着てる。
来年は酒を増やせ、と呟くと山の方へ行った。
帰宅し、自治会長の父さんに不審者に言われたことを教えたら——分かったと笑ってた。