「惜しい」

投稿者:久太郎

 

朝、学校へ向かう途中で「おはよう〜」と近所のおばあさんに声をかけれられた。いつものことだった。
「おはようござい――」
ます、と返事を言い切る前にハッとする。この人は先週亡くなったはずだ。

怖くなって、走って逃げ出した。
「惜しかったな〜」
背後から聞こえてきたのは、おばあさんの声ではなく、子供の声。
クレーンゲームで景品を取れなかった時のような、楽しげながら残念そうな声色だった。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ161615161578
毛利嵩志121215151266
合計2828303127144