インターホンが鳴った。来た来た、と思いながら、壁にある端子のスピーカーボタンを押した。どなたですかー、と訊くと、トリックオアトリート！ と、子どもたちの元気いっぱいな声が聞こえた。私は用意しておいた袋詰めのお菓子を持って玄関に向かった。外からがやがやと声が聞こえる。さすがに声が多すぎやしないかと思いドアスコープを覗き込むと、子どもはひとりしかいなかった。しかも無表情で、唇も閉じている。
それなのに大勢の声がする。
トリックオアトリート！
私はドアを開けず、居間に引き返し、カーテンを閉めた。
「ハッピーハロウィン！」
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 大赤見ノヴ | 15 | 16 | 15 | 15 | 15 | 76 |
| 毛利嵩志 | 12 | 15 | 15 | 15 | 12 | 69 |
| 合計 | 27 | 31 | 30 | 30 | 27 | 145 |