「タクシー幽霊」

投稿者:CHANG×PARK

 

真夜中の病院から髪の長い女客を乗せた。小さな声で行き先だけ告げると首をうなだれ無言になった。車内が異常に寒い。静まり返った車内。先ほどからすれ違う車が一台もない。あまりの怖さに話しかけた。「お客さん、実は何年か前ここで私、事故を起こしまして。乗っていた女性ともども亡くなったんです」女客が顔を上げる。「運転手さんのせいじゃないですよ」女客の隣りに座る血だらけの女がそう言った。「キャーッ!」ドアをこじ開け女客が道路に飛び降りる。タクシーの車体が音もなく暗闇に消えた。道端には枯れた花が供えられていた。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ151616151678
毛利嵩志121212151263
合計2728283028141