「ある冬の日」

投稿者:やま

 

 妻との喧嘩が絶えず、耐えきれなくなって着の身着のままで家を飛び出した。

 アパートに越してきたが、妻から罵詈雑言のメッセージや無言電話が続き、何処で調べたのか新居に不要品と書かれた段ボールやスーツケースも届いた。

 一ヶ月に亘る嫌がらせに我慢が出来なくなり、妻に抗議の電話をかけた。
「困らせるのは止めてくれ。それに、いい加減に娘に会わせてくれよ」
「分かってるわ。だから、荷物で送ったんじゃない」

 ガタンと背後で音がした。振り替えると、開けずに放置していたスーツケースが床に倒れていた。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ161616161579
毛利嵩志121512121566
合計2831282830145