「こだま」

投稿者:バート&ニュータ

 

ぼくの前にしかがいる。
雪の中、上からぼくを見下ろしてた。

昨日おじさんたちが、しかをとるって、てっぽうを持って森に入ったけど帰ってこなかった。

しかは、なにかバリバリたべてた。
骨みたいにみえた。
こわくて目をそらしたら、雪の上に赤いまだらとてっぽうみたいなのがみえた。

しかはぬらりとのぞいてきた。
「おまえ、あれのなかま?」

ぼくは首をよこにふった。
「おまえのこえ、もらう」

その日から、ぼくの声がなくなった。

雪の森からひびくのは、ぼくの声……

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
大赤見ノヴ151516161577
毛利嵩志151515151272
合計3030313127149