酒を飲んだ帰り、車で帰宅していた。近所に差し掛かった時、携帯が鳴ったので手に取った。
一瞬目を離した瞬間、目の前に黒い帽子をかぶった白髪の老婆が現れた。ブレーキをかける間もなく衝突し、グシャリという音が車内に響いた。
俺はその場から逃げ出した。相手は老い先短い老人。妊娠中の妻を悲しませる訳にはいかなかった。
家に戻ると妻の姿が無かった。
友人のハロウィンパーティーに出かけていた事を思い出す。
携帯を確認すると、アプリに画像が届いていた。そこには、黒い帽子をかぶった白髪の魔女──妻の姿があった。