「トイレの友だち」

投稿者:ナジラネ

 

私が勤める会社のトイレの手洗いは、手を差し出すと自動で水が流れる仕様になっている。その一部に誰もいないのに水が流れる手洗いがある。不思議な手洗いで、とんでもなく忙しく、やっと一息付いたとトイレに入ると「ジャー」っと水が。労わられたような気分になる。2年前に子宮筋腫の手術を受けた。2週間ほど休み、出勤した日も「ジャー」っと。「生きとったんかいワーレー!」と言われた気がする。今年の梅雨前に父が倒れたあとも、夏に亡くなったあとも、水は流れた。私の状況がわかるのか。とりあえず私は「ありがとう」と呟いた。

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志51010151050
大赤見ノヴ9912151459
合計1419223024109

 

書評:毛利嵩志
不思議な手洗いの噴出を「生きとったんかいワーレー!」と表現するのは微笑ましい。

書評:大赤見ノヴ
本当は怖いですよwでもポジティブシンキングな人が体験するとこうなってしまうという優秀作品