「訴え」

投稿者:小金井

 

 漫才コンビのツッコミをしている友人の話。
 事故物件に住んでいた頃、ある日の夜中、酷い息苦しさで起きると、枕元に女が立っていた。 胸を中心に放射状に大量の血を浴びており、物凄い形相をしている。そして、血と混ざった涙をボロボロと流しながら、何かを訴えている。喉も刺されているのか、空気の漏れる音が聞こえるだけで、何を言っているのかはわからない。
 好奇心の強い友人は、恐怖を振り切って立ち上がり、決死の覚悟で女の顔に耳を近づけた。何とか声が聞こえた。
「こ…わ…い…」
 友人は思わず叫んだ。「お前や!」

 

得点

評価者

怖さ鋭さ新しさユーモアさ意外さ合計点
毛利嵩志101212151261
大赤見ノヴ161716171581
合計2629283227142