麗美さんはこれまでに三度、首吊り死体を見たことがある。
縊れていたのはいずれも自分と同年輩の女性で、なぜか決まって彼女が第一発見者なのだ。
そのたびに、麗美さんの家ではペットが死ぬ。
一度目は熱帯魚。水槽のエアポンプが壊れて。
二度目は犬。リードが首に絡んで。
三度目は猫。異物を喉に詰まらせて。
猫が呑み込んでいたのは、黄土色の吐瀉物にまみれ、文字の滲んだ手紙のようなものだった。
遺書、に見えた。
現在、麗美さんは妊娠八ヶ月。
ペットを飼わねば、と焦っている。
麗美さんはこれまでに三度、首吊り死体を見たことがある。
縊れていたのはいずれも自分と同年輩の女性で、なぜか決まって彼女が第一発見者なのだ。
そのたびに、麗美さんの家ではペットが死ぬ。
一度目は熱帯魚。水槽のエアポンプが壊れて。
二度目は犬。リードが首に絡んで。
三度目は猫。異物を喉に詰まらせて。
猫が呑み込んでいたのは、黄土色の吐瀉物にまみれ、文字の滲んだ手紙のようなものだった。
遺書、に見えた。
現在、麗美さんは妊娠八ヶ月。
ペットを飼わねば、と焦っている。
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計点 |
---|---|---|---|---|---|---|
毛利嵩志 | 15 | 15 | 15 | 12 | 15 | 72 |
大赤見ノヴ | 17 | 16 | 16 | 15 | 17 | 81 |
合計 | 32 | 31 | 31 | 27 | 32 | 153 |