醜く肥えた男が部屋の隅でゲーゲーと苦しそうに吐き続けている。
「あの人わがままだったからあなた達も苦労したでしょう」
奥さんはにこやかに言う。
仏壇には脂身だらけのステーキとラーメンとご飯と酒が備えられている。見ているだけで胸焼けがする。
「あの世でも好きなだけ食べてるんでしょうねぇ」
遺影の上司は痩せていた頃の姿だ。
体を壊す前……憎きパワハラ上司の頃の。
肥えて脂汗をかき嘔吐する上司の霊を尻目に奥さんは微笑む。
私も「そうですね」と言って奥さんと微笑んだ。
醜く肥えた男が部屋の隅でゲーゲーと苦しそうに吐き続けている。
「あの人わがままだったからあなた達も苦労したでしょう」
奥さんはにこやかに言う。
仏壇には脂身だらけのステーキとラーメンとご飯と酒が備えられている。見ているだけで胸焼けがする。
「あの世でも好きなだけ食べてるんでしょうねぇ」
遺影の上司は痩せていた頃の姿だ。
体を壊す前……憎きパワハラ上司の頃の。
肥えて脂汗をかき嘔吐する上司の霊を尻目に奥さんは微笑む。
私も「そうですね」と言って奥さんと微笑んだ。
得点
評価者 | 怖さ | 鋭さ | 新しさ | ユーモアさ | 意外さ | 合計点 |
---|---|---|---|---|---|---|
大赤見ノヴ | 17 | 16 | 17 | 16 | 16 | 82 |
毛利嵩志 | 12 | 15 | 15 | 12 | 15 | 69 |
合計 | 29 | 31 | 32 | 28 | 31 | 151 |